第一章
ボクシングの起源と歴史
第二章
ペリー提督によって日本に伝来
第三章
ボクシングの父渡辺勇次郎
第四章
ジム創設ラッシュと拳闘協会発足
第五章
分裂、コミッション設立解散、再編
権利闘争を経て確立された女子ボクシング
33年前にはNYに初の女性ジャッジ誕生
日本最初の女子試合は昭和25年
「見るスポーツ」から「やるスポーツ」へ
女性のボクシングの歴史は思いのほか古い。 海外のある専門サイトによると、1722年にロンドンでエリザベス・ウィルキンソンという名の女性がマーサ・ジョーンズという女性と戦って勝ったという記録が残っているのだとか。もちろん現在のような厳密なルールのもとに行われた試合ではなく、蹴りや投げもありの格闘だったと推察される。
アメリカでは1876年にニューヨークの劇場で女性同士が拳を交えたとのレポートがある。これがアメリカ初の女性ボクシングではないかというのが通説となっている。
1904年の第3回セントルイス・オリンピックでボクシング(男性)が採用されると、女性のボクシング熱も上昇。1920年ごろにはボストンで、女性のフィジカル・トレーニングにボクシングが採り入れられるといった動きがみられた。
こうした黎明期を経て1950年代にはバーバラ・バトリックという女性の試合が初めてアメリカでテレビ電波に乗った。イギリス生まれのバトリックは150センチ足らずの小柄な女性だったが「リングの小さなアトム」と呼ばれて人気を集めた。
イギリスで活動を開始し、のちにはフロリダをベースにして活躍。一説には31戦して敗北はたった一つだったといわれている。エキジビションにいたっては数千試合もこなしたと伝えられる。 62年に引退したが、15年後の77年に短期間だけカムバックした記録が残っている。